【東大式】絶対に合格したい気象予報士

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気象予報士試験に独学で合格した、東大生のブログ

【気象予報士試験】コンパスの活用法まとめ【実技試験対策】

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こんにちは。

現役東大生、気象予報士ゆきまるです。

当ブログは、独学で気象予報士試験に合格した勉強法などを綴る備忘録となります。

 

さて、今回紹介するのはコンパスの使い方です。

実技試験で使用するこのコンパス、慣れれば非常に使い勝手がよいので、しっかりと使い方をマスターしましょう。

 

 

試験に持ち込み可能なもの

 試験中に机の上に置いてよいものは以下のようになっています。逆に言うと、これ以外は持ち込めないので注意しましょう。(実際に私は、シャープペンシルの替え芯ケースを机の上に置いていたところ、注意を受けてしまいました)

  • 鉛筆またはシャープペンシル(いずれも HB 黒)
  • プラスチック製消しゴム
  • ものさしまたは定規(分度器付きのものは不可)
  • コンパスまたはディバイダ
  • 色鉛筆
  • 色ボールペン
  • マーカーペン
  • ルーペ
  • ペーパークリップ
  • 時計
  • (電卓・分度器は不可)

実はコンパス(またはディバイダ)、持ち込みが必須となっています。それだけ重要度が高い文具である、ということですね。

気象予報士試験におけるコンパスの使い方

ではどのような場面でコンパスを使うのでしょうか。順番に見ていきましょう。

低気圧の中心位置などの転写1

実技試験では、低気圧中心の位置の時間変化や、高度ごとの低気圧中心の位置の対応が求められることがあります。その際、低気圧中心をコンパスで転写することで、比較が容易になります。

例えば下図(出典:気象庁HP)で、図1(9時)にあった低気圧を、図2(21時)に写すことを考えます。

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まずは下図のように、図1の左下の角にコンパスの針を刺し、ペンの部分を低気圧の中心まで広げます。

そして開いた角度が変わらないように注意しながら、図2の左下の角に針を刺します。このとき、図1で刺した部分と同じ場所に刺すことに注意しましょう。そして円を少し描きます。

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同じ作業を、下図のように、天気図の右下の角に針を突き刺して行います。そうすると、先程描いたコンパスの線と、今描いている円の線が交わります。この交点が低気圧の中心です。

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以上により、低気圧の中心を転写することができます。ただし、2つの天気図の縮尺が異なっている場合、見当違いな所に交点ができてしまうので、上のような方法は使えません。

低気圧の中心位置などの転写2

次にトレーシングペーパーとの合わせ技による転写の方法を紹介します。トレーシングペーパーは、持ち込むことはできないのですが、実技試験の際に配布されます。

まずは、下図のように、天気図の上にトレーシングペーパーを重ねます。そして天気図の4つの頂点の所と、低気圧の中心に目印を描きます。

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その後、下図のように転写したい天気図の上にトレーシングペーパーを重ねます。先程4つの頂点に目印をつけたので、同じ位置にトレーシングペーパーを重ねられます。そして低気圧の中心を、コンパスの針を使って下の紙まで貫通するように刺します。これによって低気圧中心の位置に穴が開くので、転写が完了しました。

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新たな経線を引く

気象予報士試験では、低気圧中心などの緯度と経度を問われることがあります。ところが、天気図には10°ごとにしか経線と緯線が引かれていないので、緯度・経度が目視ではわかりづらいことがあります。そのようなときに、新たに経線を引けば低気圧中心の位置がわかりやすくなります。

例えば下図において、東経135°の線を新たに引きたいとします。

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まずは下図のように、東経135°から等距離にある2点を選びます。

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次に下図のように、1点を中心にして適当な半径の円を描きます。

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そして、下図のように、もう1点からも同じ半径の円を描きます。

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このようにしてできた交点を下図のように結ぶと、東経135°の線を引くことができます。

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これはいわゆる「垂直二等分線の作図」ですね。また、東経135°と130°の線に対してさらに垂直二等分線を引くことで、新たに132.5°線を引くことができます。

台風の暴風域の把握

台風の勢力が、時間が経っても変化しないと仮定します。つまり、台風の暴風域の半径が現在から変化しないとします。このとき、予想天気図の台風の中心に、現在の暴風域と同じ半径の円を描くと、どの地域がいつ暴風域に入るかを予想できます。

しかし、円に中心が描かれていない場合、円の半径がわからないので、同じ形の円の作図は困難です。時間のない試験中は、大体の半径の作図で十分ですが、正確に同じ円を作図する方法を紹介します。

まず、下図のように円周上に適当に3点をとります。

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次に、線分ABに対して、先程「経線を引く方法」で説明したように、垂直二等分線を引きます。

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最後に、線分BCの垂直二等分線を引きます。こうしてできた交点が円の中心になるので、円の半径を把握することができます。これによって同じ円を作図することができるようになりました。

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まとめ

今回はコンパスの使い方を紹介しました。

  • 低気圧中心などの転写
  • トレーシングペーパーとの合わせ技による転写
  • 経線の描画
  • 台風の暴風域の把握

最後に、コンパスは練習しないとなかなかうまく使いこなせません。実技の過去問などを利用して、コンパスをうまく扱えるようにしましょう。